ケイカル

けい酸分を肥効成分とする土づくり肥料で、砂状タイプと粒状タイプがあります。

●はたらき

1. 水稲にはけい酸が必要です。
ケイカルに含まれるけい酸が、良食味米高収量生産に重要な役割を果たします。
稲の成長には多くのけい酸が必要で(稲わら、もみ殻は多くのけい酸を含みます。)、けい酸が不足すると、倒伏しやすくなります。特に稲わらをすき込まない飼料用米の生産ではけい酸が不足します。

      出展元:土づくり肥料のQ&A(土づくり肥料推進協議会、H20年6月発行)
       詳細は、「Q&A」コーナー:ケイカルの項 p.127

2. けい酸を充分に施用すると、
・米粒中のタンパク質含有率が低下し、食味が向上します。
・デンプンの生産や転流が向上し、乳白米の発生を減らします。
・稲体が丈夫になり、高温障害や冷害に強い稲になります。

3. ケイカルはカルシウムやマグネシウムなどの微量要素を含み、またアルカリ分が酸性化した不良土壌を改善し、畑作にも有効です。根の活力が増し、作物を丈夫にします。

  参考:全農資料「明日をつくる土づくり肥料」

●特性

1. ケイカルは、けい酸と石灰のほかに苦土、マンガン、鉄、ほう素など微量要素を含む、優れた土づくり肥料です。

2. ケイカルはけい酸質肥料の中でも30%と高いけい酸含有率を示します。また、ケイカルに含まれるけい酸は、有機物が分解して生じた有機酸により徐々に植物に吸収される「可溶性」のけい酸であり、有効にけい酸が吸収されます。

3.作物に対して次の特長があります。
 ・葉が直立するので受光態勢がよくなり、登熟歩合が向上します。(光合成の促進)
 ・茎葉を丈夫にし、病害虫や倒伏、冷害に対する抵抗力を強めます。(シリカ層の強化)
 ・水分の蒸散作用を抑制するので、干ばつに耐える力を強めます。(クチクラ層の形成)

      出展元:土づくり肥料のQ&A(土づくり肥料推進協議会、H20年6月発行)
      詳細は、「Q&A」コーナー: ケイカルの項  p.120

各製品の保証成分量(%

  アルカリ分 けい酸 苦土
ケイカル 47 32 5
粒状ケイカル 46 30 5

施用法

①水田の場合、基肥を原則とし、施用量は120~200kg/10a程度となります。
また下葉の枯れ上がりが起こりやすい水田(根の呼吸阻害)や、イモチ常発田、浅耕土水田、酸性水の入る水田、砂質漏水田、低収田、多収穫栽培などでは特にケイカルの施用が必要です。
農作業の労力調整の立場から、収穫後の農閑期を利用して、でき秋に散布したり、田植前2週間までに施用してください。

②畑地の場合、畑地に対するケイカルの施用は炭カルと同じように土壌の酸性を矯正するために役立ちます。
炭カルや消石灰と比較して土の酸性を直す速度がゆるやかなので、その効果が長続きするのが特徴です。
施用量は140~200kg/10a程度となります。

詳しくは、最寄のJAにご相談ください。

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